「てのひらにあるものは何ですか?」
28になって、「ひとまわり」した感覚があった。その感覚は、それこそ触れそうなくらいの現実感を伴っていた。
でも、ひとまわりして何処にもたどり着いた気はしない。けれど、この手にしっかりと残っているものがありました。
それはとてもソリッドな原点の記憶。
今は遠く離れてしまったけれど、あの時、あの場所は美しく輝いていました。きっとそこには僕自身の過去から未来への記憶があったからなんだと思う。
4人の、世界を彩り描くアーティストの肖像。4人はそれぞれの方法で自分たちの世界を創り、打ち立て続けている。
そんなひとりひとりの原点となる場所で、それぞれのてのひらを通して過去の確かさと未来の記憶をそっと包み込めれば。そして次の「ひとまわり」のための新しい原点になればと思っています。
「そのてのひらで何をつかみますか?」
●開催にあたって
展示タイトルの「op」にはいくつかの言葉が当てはまります。
惑星が太陽のまわりを一回りする周期のことを「op = orbital period」と言い、日付と曜日が28年ごとに「ひとまわり」するのを意味することもあるそうです。
また、自分の世界を表現する人にはその創作の原点となる場所があります。それが「op = original point」
そして、創作を生み出すのはアーティストの「手」です。「op = on palms」
今年28歳を迎える作者は、自分の人生の「ひとまわり」として、自分と同年代のアーティストたちの創作の原点の場所、そして、創作を生み出すその手のひらを写真に収め、次の「もうひとまわり」へ向かうために展示をします。
モノクロ手焼きプリント20点(予定)を展示します。
●作者プロフィール
安田新之助(1982年大阪生まれ)
活動履歴
2006年 一人一展(グループ展、大阪NADAR)
2007年 LINERNOTES(アートイベント、名村造船所跡地)
Qtr. (個展、ギャラリーアビィ)
2008年 EGOIST (コラボレーション展、ギャラリー作家さん)
2009年 きのことひじき (グループ展、cafe nino)
2010年 POP FIVE (グループ展、cafe banco) |